エッセイ
ロンドンから、小玉もなさんのレポート第3弾!
小玉もなさん ロンドンでスズキ・メソードのヴァイオリン科指導者として活躍されている小玉もなさんから、第16回スズキ・メソード世界大会に参加する日本への飛行機の中より、新しい原稿が届きました。素晴らしい時代ですね。さっそくご紹介しましょう。
皆様、こんにちは。ロンドンの小玉もなです。今、日本に向かっている飛行機の中です。高度1万メートルから、最新のレポートを送ります。
Cadogan Hall 2013年3月17日(日)に、ロンドンの支部大会が行なわれました。コンサート会場は、ケンジントン・スローンスクエアという高級エリアにある、カドガンホールです。このカドガンホールは、もともと教会だったのですが、改築してコンサートホールに生まれ変わりました。今でもこの建物が教会だった名残りが見えます。建物の外は教会・大聖堂そのもので、石造りだし、ホールの中は天井がものすごく高いし、吹き抜け造りのため2階席はバルコニーのみだったりします。その代わり、音響は素晴らしいです。そうそう、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんが、この会場でここ数年間コンサートを開いています。葉加瀬太郎さんもスズキ・メソードのOBでしたね。
クリックで拡大 写真は、コンサート最後の演目で、英語では「Play together」、日本語でいうところの斉奏です。ヴァイオリン科とヴィオラ科で一緒に演奏しました。ステージで弾いているのは、1巻と2巻の始めを勉強している生徒さん達80人ちょっとで、ずっとコンサートを聴いていたので、この最後の合奏が彼らのハイライトでした。2階のバルコニー席の生徒たちは、2巻後半以上の生徒たちで、すでにグループ演奏した人たちです。
今年のロンドン支部大会は、2年ぶりに行なわれ、私はコンサートの実行委員長を務めました。2012年の秋から、がんばって企画してきたので、350人ほどの生徒さんたちが最後の合奏を楽しそうに演奏しているのをみて、ホッとしました!
この中にも、今回の松本での世界大会に参加する生徒たちが、数名います。2012年の9月の時点では、イギリス、特にロンドンから参加を予定していた生徒さんたちが大勢いました。ところが、イギリスを出発しなければならない3月の週末には、まだ学校が春休みになっていないために、学校から欠席許可を取らなければならなかったのですが、最後の最後まで許可がおりず、泣く泣く参加を諦めた生徒さんが大勢いました。世界大会の開催があと数日から1週間遅ければ、イギリスからの参加人数は増えていたでしょう!
それでも、生徒さんたちにとっては、世界大会は魅力が満載です。
イギリスから見ると地球の裏側にある、アジア地域、特に日本は、彼らにとって未知の世界です。イギリスからたくさんの指導者の先生方も参加します。1つの場所に5,000人以上もの人が集結して、音楽やスズキ・メソードにどっぷり浸かるというのは、想像がつかないみたいです。日本出発までちょっと1週間だったこのコンサートで、ようやく「大変だ!日本に行くんだ!」と実感が湧いた方々がいました。楽しみだけれども、言葉の問題や、食生活の違いから、不安を感じている人もいました。
私にとっては…
1年近くにわたって、「イギリスから世界大会に参加しよう!」とBSIオフィス(英国スズキ協会事務所)と一緒に、ツアーを組んで準備をしてきました。私の母国である日本、それに物心ついた時から育ててもらったスズキ・メソードを、現在一緒に働いている指導者の先生方や、一緒にお勉強している生徒さんたちと、過去最大規模になるであろうこの世界大会にともに参加できることを心待ちしています。無事に日本に到着し、世界大会に参加し、「遠路はるばる行ってよかったね」、と言ってもらえると、いいなぁと思っています。
クリックで拡大 世界大会が始まる前日の3月26日(火)には、東京の六本木でコンサートを開催します。会場は、デザインKホール六本木で、19:00開演です。
・バルトーク:「ルーマニア民俗舞曲 Sz.56」
・ショパン:「小犬のワルツ」
・ヴィエニャフスキー:「2つのマズルカ Op.12」
ほかを演奏する予定です。翌日には、松本に向かいますから、なかなか強行軍ですが、日本の春を楽しむ予定です。皆さんと逢えることを楽しみにしています。