エッセイ
イギリスの卒業制度〜ロンドンからのお便り
イギリスの卒業制度は、オーストラリア人でピアノ科のGrand Mead先生の努力により、2005年から始まりました。日本の卒業制度をモデルに使い、 オーストラリアの卒業制度と基本的に同じように運営されているそうです。ただイギリス人と文化にも受け入れやすいように、 レベルや曲目を少しだけ変えたところがあるそうです。
初年度の2005年はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、 ピアノ科24名の指導者から、136名の生徒が卒業しました(卒業式のプログラムに載っているリストの数え間違いをしていなければいいのですが…)。
2011年は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、ピアノ科の約100名の指導者から、 588名の生徒が卒業しました。卒業制度の広がりが感じられると思います。
イギリスの卒業制度。日本にはないコントラバス科などもあり、またヴァイオリン科やチェロ科、ピアノ科、フルート科でも微妙に卒業曲が違い、興味深い内容です 今年のロンドンでの卒業コンサートは、9月25日(日)に、St.John's Smith Square (セント・ジョンズ・スミス・スクエア)という、かつては教会だった建物を改造した美しいコンサートホールでありました。この日だけで、ピアノ科卒業コンサートが3回(9:30、11:00、12:30開演)と、その他の楽器による合同卒業コンサートの計4回もありました。
2011卒業コンサートプログラムの表紙です 英国の真ん中辺りに位置するバーミンガムでも、10月9日(日)に卒業コンサートがありました。これは、バーミンガムにある音楽学校のホールを借りてのイベントでした。
イギリスでは、毎年9月に行なわれる卒業コンサートは必ずロンドンと、もう1箇所、別の場所で行なっています。今年はバーミンガムでしたが、来年はマンチェスターかリバプールで予定されています。地方の生徒さんたちも気軽に参加できるように、コンサートの開催場所を変えているのだそうです。そのうち、スコットランドでもコンサートが行なわれる日がくるでしょうね。
ちなみに、この卒業制度の推進、および卒業コンサートの開催は、英国スズキ協会(British Suzuki Institute)の主催で行なわれています。私が所属するロンドン・スズキ・グループ(略してLSGと呼びます)は支部の名前で、今回のコンサートにもたくさんのお弟子さんが参加しました。ご興味のある方は、英国スズキ協会のサイトをぜひ一度ご覧ください。英国スズキ協会HP
スズキ・メソードOB・OG会の皆様のご好意で、これから不定期にロンドンでのスズキ・メソードの様子などをお知らせさせていただきます。お楽しみに。
英国スズキ協会ヴァイオリン科指導者
小玉もな(在ロンドン)