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After Play In Obu

大府の鈴木政吉関連施設を訪問

1月21日(日)、大府市内の鈴木政吉関連施設を訪問

 楽器を持って集まろう会 in 大府(Play In 大府)の翌日は、9時に大府駅前のホテルを出発。あらかじめ入手していた大府歴史民俗資料館作成のパンフに掲載されている「大府市内バイオリン関連マップ」をガイドに、それぞれの地域を駆け足で巡りました。次の順番になります。

①大府市歴史民俗資料館

 「大府バイオリン縁起」というタイトルで、2023年7月から鈴木政吉関連の常設展示がスタートしました。政吉制作の初期モデル「3号バイオリン」や、政吉の長男梅雄の孫にあたるタケカワユキヒデさんから寄贈された梅雄の手工バイオリンの展示、さらにはアインシュタイン博士からの手紙、 大府分工場のジオラマなどが展示されていました。 鈴木政吉の長男・梅雄へ宛てた三男・鎮一の直筆はがきも初公開です。鈴木先生の変わらぬ字の美しさには、本当に驚かされます。 今年になって、『バイオリンの里おおぶメタバース』がスタート。メタバース(インターネット上の仮想空間)によるバーチャルな空間に入ると、興味深い内容が展開されています。マンスリースズキ編集部が注目したのは、当時の鈴木政吉を知る福島淑子さん(大府分工場長の立松工場長のお嬢さま)へのインタビュー動画(4分ほど)でした。

 →福島淑子さんインタビュー
 なお、福島淑子さんの記事は、マンスリースズキ2018年2月号でも取り上げていました。
 →マンスリースズキの記事
 
②鈴木バイオリン製造株式会社大府分工場跡
 かつて、政吉の長男、梅雄はドイツの楽器生産の村「マルクノイキルヘン」を再現しようと、この大府の名高山に分工場を作りました。第2次世界大戦のためにその構想は消えたわけですが、現在は、その地に跡地であったことを示す小さな看板がひっそりと立っています。その地とは、なんと、現在の至学館大学でした。女子レスリングの伊調馨・千春姉妹や、 「霊長類最強女子」の異名を持つ吉田沙保里がこの大学の出身であることは、よく知られています。最近、松本市内にも昔の松本音楽院跡地であることを示す看板が立ち、話題になりましたが、いずれも歴史を語る大切なランドマークであることは間違いありません。


③大府文化交流の杜allobu
 続いて向かったのがallobu(アローブ)。ここは、2018年1月に「鈴木政吉と大府レクチャーコンサート」が開催された場所です。また、 鈴木政吉の功績を後世に伝えるとともに、市民が郷土に誇りを持ち郷土愛を深める貴重な文化資源を永く歴史にとどめるため、鈴木政吉の新たな銅像が制作され、2019年3月には、スズキの子どもたちの演奏とともに、除幕式が行なわれた場所でもあります。マンスリースズキ2019年4月号で報告しています。

 →マンスリースズキの記事
 
④鈴木バイオリン製造株式会社(工房見学)
 そして、11時に待ち合わせていた場所が、鈴木バイオリン製造株式会社でした。休日にも関わらず、前日の「楽器を持って集まろう会=Play In 大府」でご一緒した小野田祐真社長自らが工房見学を特別にガイドしてくださるとあって、参加メンバーたちがお子さんたちと一緒に集合してくださいました。
 最初に見せていただいたのが、鈴木政吉が一晩だけ知り合いからヴァイオリンを借り、夜中に図面を起こしたところから制作された最初の1号ヴァイオリンでした(写真)。歴史に残る一品です。ここから世界に名だたるスズキのヴァイオリン制作が始まったのですから、感慨深いものがあります。

 小野田社長は、工房の中を一つひとつ丁寧に紹介してくださいました。割れを防ぎ装飾面からも技術の高さを示すパーフリングの埋め込みや、各種のカンナを使った表板・裏板削り、ネック造り、何度も塗りを重ねる塗装など、一通り見せていただきました。なかなか見られないヴァイオリンのボディをカットした内部がわかるサンプルには、見学者一同、声を上げたほどです。

 この工房は、現在は、ジブリ映画の名作「耳をすませば」をイメージさせることから、2022年に愛知県長久手にオープンしたジブリパークの関連施設として、脚光を浴びるまでになっています。日本経済新聞の動画配信が、その辺りを紹介しています。
 →日本経済新聞社ローカルビジネスサテライト


⑤愛三文化会館(大府市勤労文化会館)
 最後の訪問地が、愛三文化会館。ここのホールで、午後から「スズキテンチルドレンコンサートin 大府」が開催されますので、すでに多くの人たちが開場待ちで行列ができていました。昨日の参加者たちも多く、ホール内のそこかしこで「昨日はありがとうございました」とお声をかけていただきました。コンサートの内容は、こちらをご覧ください。
 →スズキテンチルドレンコンサートin 大府