スズキ・メソードOB・OG会は「心のふるさとキラキラ星」を共有する皆様と「一生楽しめるスズキ・メソード」をめざします。
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竹澤恭子さんをゲストに第14回コンサートを開催

 

 2022年 5月8日(日)に、足掛け3年ぶりに国立オリンピック記念青少年総合センター大ホールで開催されたOB・OG会の第14回コンサート。「世界のタケザワ」と称される、スズキ・メソード出身で、ヴァイオリン科特別講師の竹澤恭子さんとの初の共演がようやく実現しました。しかも、指揮には公益社団法人才能教育研究会名誉会長で、今なお後進の指導に情熱を捧げておられる豊田耕兒先生をお迎えしました。スズキ・メソード出身のOB・OGたち、そして現在レッスンを受けていらっしゃる「大人のスズキ」の皆様、さらには、この日の前半のアンサンブルフェスティバルに出演した子どもたちも参加しての、久しぶりに生演奏の楽しさとアンサンブルすることの醍醐味が実感できるコンサートを開催することができました。

 竹澤恭子さんからは、事前にメッセージをいただいていました。紹介しましょう。

何年も前からOB・OG会との共演のお誘いをいただきながら、日程調整がつかず実現できませんでしたので、このほどの共演、とても嬉しく思っております。
 ともに鈴木鎮一先生の教えの中で音楽を育んでいらした皆様とは、必ずや共通点を感じるものと、楽しみにしております。演奏させていただきますモーツァルトのコンチェルト4番は、指導曲集第10巻を締めくくる大切なレパートリー。小学校1年生のときだったと思いますが、この溌剌とした4番のコンチェルトを弾くことができたら、ずうずうしくも一人前になれるような気がして、早くこの曲を弾きたいと思っていたことが思い出されます。その後、演奏活動の中で幾度か演奏する機会がありましたが、この曲のファンファーレのような冒頭を聴くたびに、あの頃の私を思い出したものです。
 

山村晶一先生の指導を受ける竹澤恭子さん

このたび、この思い出の曲をOB・OG会の皆様と演奏できますこと、感慨深いですが、あの頃の私がいろいろな音楽経験のもとにたどり着いた「今」を表現できるようなモーツァルトが演奏できたらと思っております。
 昨今のコロナウイルスにより、今、全世界が厳しい情況の中、懸命に戦っております。このような情況下におかれますと、日々当たり前に生きていたことが、いかにありがたいことであるかを思い知らされます。
 自分の愛する音楽を演奏させていただけることのありがたさ、一音一音に感謝の気持ちを込めて演奏していきたいと思います。そして、その音楽が皆様の生きるエネルギーになるようなことがあれば、それ以上のことはありません。」とのことでした。


 竹澤恭子さんの演奏は、モーツァルトの軽やかさと華やかさを十二分に感じさせながらも、ダイナミズムに溢れた歌い込みに一際大きな特徴がありました。同じ舞台にいるOB・OG会のメンバーたちも、その紡ぎ出される音の一つひとつに思わず引き寄せられてしまう体験を味わうことができました。強い意思のこもった表現力は、新鮮で、自由で、音楽の喜びに大切に包まれているかのよう。ブラームスとの交流で知られ、かつカール・クリングラーの師でもあったヨーゼフ・ヨアヒム(1831〜1907 )版で演奏されたカデンツァは、まさに恭子さんの真骨頂。音の洪水の中に光が差してゆく様を感じさせました。聴衆からも、「圧巻のブラボー」「音と次の音とのつながりも、間の取り方も、”余裕があるおしゃれ”という感じ」と絶賛の声が寄せられました。


 
 続いて演奏したのが、バッハのドッペル。OB・OG会では、以前に木村眞一会長と紿田俊哉副会長のお二人で、同曲の演奏を披露したことがありました。今回は、OB・OG会がお世話になっている関東地区ヴァイオリン科指導者の守田千惠子先生と守田マヤ先生よる、息のあった親子共演が実現。ソロを終えたばかりの竹澤恭子さんがコンサートマスターに、そして豊田耕兒先生の指揮という豪華な布陣は、まさにOB・OG会ならではでしょう。



 そして、おなじみのパッヘルベルの「カノン」が、関東地区チェロ科指導者の宮田豊先生の指揮にかかると、曲のイメージがよりダイナミックに、そして文字通り「豊か」になりました。宮田先生らしいアプローチの仕方は、この曲の魅力が増すことに成功しました。

 最後は前半のアンサンブルフェスティバルに出演した生徒さん、そして会場にヴァイオリンを持参した生徒さんたちとの共演。ヴィヴァルディのa-mollから第1楽章とキラキラ星変奏曲。いずれも竹澤恭子さんの音頭で進めるという、OB・OG会らしいスタイルとなりました。こうした世代を超えての共演は、全員がスズキ・ファミリーとして感じられ、充実した時間となりました。
 あらためて、この日のプログラムは、次のとおりです。
  ①モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K. 218
      ヴァイオリン 独奏:竹澤恭子 指揮:豊田耕兒

  ②バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV 1043
      ヴァイオリン 独奏:守田千惠子、守田マヤ 

     コンサートマスター:竹澤恭子
      指揮:豊田耕兒  

  ③パッヘルベル:カノン
      指揮:宮田豊

  ④ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲イ短調より第1楽章
  ⑤鈴木鎮一:キラキラ星変奏曲